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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科17巻3号

1989年03月発行

文献概要

研究

びまん性軸索損傷の臨床と病理

著者: 中沢省三1 小林士郎1 横田裕行1 志村俊郎1

所属機関: 1日本医科大学脳神経外科学教室

ページ範囲:P.247 - P.253

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I.はじめに
 近年,頭部外傷を,脳損傷の力学的発生機序から,局所性損傷(focal injury)とびまん性脳損傷(diffuse braininjury)に大別する傾向にある6).衝撃の力学的機序により,主に脳の限局した部位に損傷が生じた場合を,局所性損傷と呼び,脳全体に損傷が及んだ場合をびまん性脳損傷として区別している.具体的には,前者には,大脳皮質の挫傷や硬膜上,下血腫,脳内血腫などが入り,後者には,脳振盪をはじめ,びまん性脳腫脹,大脳基底核部出血,脳室内出血,脳幹損傷,軸索損傷など多くの病態がこれに包括される4,11,14,19,23)
 Gennarelli8)は,びまん性脳損傷を,Table 1に示すように,意識障害の程度と神経学的所見から,脳振盪群と遷延性意識障害群に分かち,遷延性意識障害群をびまん性軸索損傷(diffuse axonal injury)と定義している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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