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脳腫瘍の組織診断アトラス
(3)Gangliocytoma(Ganglioglioma)
著者: 田村勝1
所属機関: 1群馬大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.311 - P.317
文献購入ページに移動I.定義,名称,分類
成熟神経細胞が主体をなし,腫瘍によってさまざまな発達段階の神経細胞を含む神経細胞系腫瘍で,間質として,腫瘍性格をほとんど示さないかあるいは腫瘍性格を示す細胞膠細胞を含む腫瘍である.
腫瘍構成細胞を反映してgangliocytoma,ganglioneuroma,ganglioglioma,neuroastrocytoma,ganglioneuroblastoma,neuroblastomaなど,さまざまな名称で呼ばれてきた.Courville5)は神経細胞と神経膠細胞の二要素からなる腫瘍をgangliogliomaと名付け,ganglioneuromaという名称は末梢神経の腫瘍の場合には適当であるが"neuroma"に相当するSchwann細胞の増殖は中枢神経系ではみられないので不適当であると述べている.この腫瘍は神経細胞が腫瘍の主要構成成分を占めるものから神経膠細胞が主体を占めるものまであり,また同一腫瘍でも部位により異なることもあり,さらに未分化な神経細胞が混在することもある.腫瘍性格や腫瘍細胞由来についても依然議論の多い腫瘍である.
成熟神経細胞が主体をなし,腫瘍によってさまざまな発達段階の神経細胞を含む神経細胞系腫瘍で,間質として,腫瘍性格をほとんど示さないかあるいは腫瘍性格を示す細胞膠細胞を含む腫瘍である.
腫瘍構成細胞を反映してgangliocytoma,ganglioneuroma,ganglioglioma,neuroastrocytoma,ganglioneuroblastoma,neuroblastomaなど,さまざまな名称で呼ばれてきた.Courville5)は神経細胞と神経膠細胞の二要素からなる腫瘍をgangliogliomaと名付け,ganglioneuromaという名称は末梢神経の腫瘍の場合には適当であるが"neuroma"に相当するSchwann細胞の増殖は中枢神経系ではみられないので不適当であると述べている.この腫瘍は神経細胞が腫瘍の主要構成成分を占めるものから神経膠細胞が主体を占めるものまであり,また同一腫瘍でも部位により異なることもあり,さらに未分化な神経細胞が混在することもある.腫瘍性格や腫瘍細胞由来についても依然議論の多い腫瘍である.
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