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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科17巻4号

1989年04月発行

文献概要

研究

視床出血の脳循環(第2報)—急性期脳血流量減少の成因

著者: 上田幹也1 松本行弘1 大宮信行1 三上淳一1 佐藤宏之1 井上慶俊1 大川原修二1 松岡高博2 武田聡2

所属機関: 1大川原脳神経外科病院 2桜台脳神経外科病院

ページ範囲:P.343 - P.350

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I.はじめに
 高血圧性視床出血により脳血流量(CBF)が減少することは,近年比較的容易に脳循環測定が可能となり,よく知られるようになった1,2,3,7,10,11,13,14).しかしCBF減少の成因に関しては,血腫およびその周囲の脳浮腫により頭蓋内圧が亢進し脳還流圧が低下するため,あるいは視床・内包などの障害により神経線維連絡が遮断され神経線維により連絡される部分のCBFおよび代謝が低下するため(diaschisis)などが考えられているが,報告も少なく2,11,13,14),明確な結論は得られていない.またCBF減少の成因を明らかにすることは,最近行われるようになった定位的脳内血腫除去術の手術適応について,脳循環動態の面から知り得る可能性があると思われる.
 著者らは視床出血急性期のCBF減少の成因を明らかにする目的で,急性期にSingle Photon EmissionCT(SPECT)を施行しSPECT所見とCT所見とを比較検討した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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