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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科17巻4号

1989年04月発行

文献概要

症例

海綿静脈洞部巨大脳動脈瘤に対する頭蓋内内頸動脈Bypassの試み

著者: 本田英一郎1 林隆士1 李宗一15 金谷幸一15 大島勇紀15 宇都宮英綱2 本多義明3 佐藤洋介3 福島孝徳4

所属機関: 1聖マリア病院脳神経外科 2聖マリア病院神経放射線科 3聖マリア病院神経内科 4三井記念病院脳神経外科 5現籍 久留米大学脳神経外科

ページ範囲:P.375 - P.380

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I.はじめに
 巨大脳動脈瘤の好発部位は内頸動脈が多く,全体の約40%1)の頻度で報告されている.この中でも海綿静脈洞部は高頻度であり,11-25%1,6)に相当する.
 海綿静脈洞部の巨大脳動脈瘤による臨床所見は眼窩部痛,眼球突出,III,IV,VIの脳神経麻痺を呈する,いわゆるcavernous syndromeとして発症し,硬膜外に位置するため,クモ膜下出血をきたすことはまれである.この部位に対する外科的治療の適応,また治療方法(内頸,総頸動脈のligation, EC-IC bypass+内頸動脈のligation, electrothrombosis, neuroradiological interven—tion)に関してはさまざまな意見,方法が論議されている.Sekhar12)はcadaverを用いて海綿静脈洞部に対する種々の外科的approachおよび解剖所見を報告している.その中でpetrous ICAとsupraclinoid ICA間のgraft bypassが可能であることを述べている.
 今回われわれはこの所見を基に頭蓋内内頸動脈By—passの試みとしてC5(interosseous portion)とC2(cis—ternal portion)の間をvenous graftを用いてbypass術を行い,良好な経過を示した1例を経験したので,これらの手技・利点などについて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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