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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科17巻4号

1989年04月発行

文献概要

症例

モヤモヤ病疑診例から確診例への移行を示した1例

著者: 青木伸夫1 加川瑞夫1 鰐渕博1 竹下幹彦1 井沢正博1 喜多村孝一1

所属機関: 1東京女子医科大学脳神経センター脳神経外科

ページ範囲:P.399 - P.403

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I.はじめに
 モヤモヤ病は脳血管撮影上,両側内頸動脈終末部の進行性閉塞性病変とそれに伴う脳底部の異常血管網を特徴としている.その閉塞性病変の経時的変化については,鈴木ら6,7)の報告にみられるように小児例における経時的血管撮影より閉塞性病変の進行が確認されている.
 しかしながら,成人例については多数例の検討から閉塞性病変の進行をある程度推察しうるものの8,11),個々の症例について既存の閉塞性病変の進行及び対側の閉塞性病変の形成を確認,報告した例は,われわれが調べ得た限りではまだない.今回われわれは,モヤモヤ病成人例で,発症後5年間に頻回の虚血発作を繰り返し,血管撮影上既存の閉塞性病変が進行し,さらに対側にも閉塞性病変が形成され進行した1例を経験したので,文献的考察を加え報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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