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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科17巻5号

1989年05月発行

文献概要

研究

早期脳動脈瘤手術中での脳血流およびCO2反応性—発症より手術までの経過時間による影響について

著者: 大町英世1 宮下和広1 川崎洋1 並木昭義2

所属機関: 1中村記念病院麻酔科 2札幌医科大学麻酔学教室

ページ範囲:P.443 - P.447

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I.はじめに
 脳動脈瘤の破裂によりクモ膜下出血(SAH)がおこると,脳血流量(CBF)が低下し,脳血管のCO2反応性,自己調節能が障害される.さらにこれらの現象は,SAH症例の重症なもの程著しいことが知られており4-6,12),しかもこのことについて著者らは,早期動脈瘤手術の術中においても認められることを報告した9,10).しかし,早期手術例について,SAH発症から手術までの経過時間の違いによって,術中のCBFやCO2反応性がどのように異なってくるのかについての報告はない.そこで,早期手術を行ったGrade I(Hunt & Hess分類)の症例だけを対象とし,発症から手術までの経過時間によって3群にわけ,頭蓋内操作中のCBFやCO2反応性をCerebral Circulatory Index(動脈血酸素含量と内頸静脈血酸素含量較差の逆数:CCI)を用いて比較検討した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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