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解剖を中心とした脳神経手術手技
Transoral Transclival Approach—とくに椎骨脳底動脈瘤など斜台下背部病変に対しての応用
著者: 早川徹1 山田和雄1 吉峰俊樹1
所属機関: 1大阪大学脳神経外科
ページ範囲:P.609 - P.614
文献購入ページに移動脳底動脈近位部ないし椎骨脳底動脈接合部など斜台背面の中—下1/3で正中近くに存在する病変に対するsur—gical approachは極めて困難とされ,かってDrakeはこの部分を"no man's land"と称した4).
近年microsurgical techniqueの進歩により,この部の病変に対しても上方よりはsubtemporal transtentorialあるいはtrans-Sylvian approachなどにより,また下方よりはlateral suboccipital approachなどにより到達可能とされてきたが,いずれにしても視野は深く,狭く,また脳の強いretractionを要するのが常であり,さらに各種脳神経の走行が手術手技を制約し,術後神経脱落症状を招来することが多く,練達の士でなくてはやはり困難な接近部位であることに変わりがない.
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