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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科17巻7号

1989年07月発行

文献概要

研究

脊髄誘発電位測定(脊髄刺激法)による実験脊髄損傷の検討—脊髄誘発電位の経時的変化並びに脊髄損傷後の電位回復と下肢運動機能との相関性について

著者: 井須豊彦1 岩崎喜信1 秋野実1 阿部弘1

所属機関: 1北海道大学脳神経外科

ページ範囲:P.629 - P.634

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I.はじめに
 実験脊髄損傷に対する脊髄機能の電気生理学的評価法としては,従来より,大脳皮質知覚誘発電位2-4,8,14,15,17)や末梢神経刺激法による脊髄誘発電位測定が行われて来た.しかしながら,これら検査法,とくに大脳皮質知覚誘発電位では,麻酔剤等の薬物投与や電気的アーチファクトにより影響を受けやすく,経時的波形分析が困難なことが多い.一方,脊髄刺激法による脊髄誘発電位測定法5-7,11,19,20,23)では,種々の条件下でも,明瞭な波形が得られ,脊髄損傷の重症度判定や波形の経時的変化を評価することが可能と思われる.今回,われわれは,硬膜外衝撃法による急性実験脊髄損傷犬に対して,受傷前後の脊髄誘発電位測定(脊髄刺激法による)を行ったので,各外傷群(300 gm-cm外傷,400 gm-cm外傷,500 gm-cm外傷)における脊髄誘発電位の経時的変化(受傷5時間後まで)を報告する.又,受傷後の脊髄誘発電位の回復程度と実験犬の下肢運動機能回復との相関関係についても,検討を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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