Neurological Surgery 脳神経外科17巻7号

1989年07月発行

研究

グリセロールの脳血流量・脳血液量・脳酸素代謝に及ぼす影響

著者： 石川正恒¹ 菊池晴彦² 永田泉² 山形専² 滝和郎² 小林映³ 米倉義晴⁴ 西澤貞彦⁵

所属機関： ¹京都大学医学部附属病院手術部 ²京都大学脳神経外科 ³国立循環器病センター脳神経外科 ⁴京都大学核医学 ⁵天理病院放射線科

ページ範囲：P.635 - P.640

I．はじめに
　グリセロールは頭蓋内圧降下剤や脳浮腫治療薬としてよく用いられているが，本剤の脳循環や脳代謝に及ぼす影響については未だ不明な点も多い．今回，われわれは髄膜腫にて頭蓋内圧亢進症状がみられ，CTにてperi—focal edemaを有する症例を対象に¹⁵O標識ガスとポジトロンエミッションCTを用いてグリセロールの脳循環代謝に及ぼす影響について検討を加えた．