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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科17巻8号

1989年08月発行

文献概要

脳腫瘍の組織診断アトラス

(6)Meningiomas(髄膜腫)

著者: 山下純宏1 山嶋哲盛1

所属機関: 1金沢大学医学部脳神経外科

ページ範囲:P.703 - P.711

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I.発生母地
 髄膜腫はその発生早期より硬膜に付着しているため,古くは硬膜より発生するとされていた.ところが,1864年グラスゴーの解剖学者Clelancl3)が髄膜腫は組織学的にパキオニー顆粒に似ていることを指摘した.後年,Schmidt15),Cushing5)あるいはBailey1)らも本腫瘍はクモ膜絨毛のarachnoid cell clusterに似ているとした.したがって,髄膜腫の発生母地がクモ膜絨毛であることは今日,教科書的な事実となっている.
 クモ膜絨毛は髄膜腫の発生母地であると同時に脳脊髄液の吸収部位でもあるため,その形態と機能については,Weed19)以来多数の研究がなされてきた.しかし,その多くは実験動物を対象としたもので16),ヒトの材料を用いた研究はきわめて少ない18,22,23)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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