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研究
ACNU髄腔内潅流療法—神経毒性および薬動力学に関する実験的研究
著者: 河内正人1 倉津純一1 三原洋祐1 井上信博1 高木修一1 末吉信之1 曾山直宏1 植村正三郎1 生塩之敬1
所属機関: 1熊本大学脳神経外科
ページ範囲:P.741 - P.746
文献購入ページに移動最近の治療法の進歩により,悪性gliomaの生存期間は延長し,それに伴って腫瘍の髄腔内播種が臨床上問題になっている1,15,16,28).これに対する治療として,現在,照射療法,全身および髄腔内化学療法が行われている.髄腔内化学療法に用いられる抗癌剤としては,me—thotrexate3,6,10,18,19,20,23),cytosine arabinoside6,7,10),thio-TEPA6,8,9,18),bleomycin24),neocarzinostatin12,13,21,22)などがあり,種々試みられているが,いずれも効果は認められていない27).
Nitrosourea系の抗癌剤であるACNU(nimu—stine hydrochloride)は悪性gliomaに対する全身化学療法に広く使用されている薬剤である.われわれはgliomaの髄腔内播種に対する治療法として,ACNUの髄腔内投与,とくに潅流療法に着目し24-27),犬を用いた実験を行い,神経毒性および髄腔内薬物動態について検討を加えたので報告する.
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