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解剖を中心とした脳神経手術手技
頭蓋咽頭腫に対するInterhemispheric,Trans-lamina Terminalis Approach
著者: 浅野孝雄1
所属機関: 1埼玉医大総合医療センター脳神経外科
ページ範囲:P.799 - P.812
文献購入ページに移動頭蓋咽頭腫は,pituitary stalk(hypophyseal duct orRathke's pouch)に発生し,主としてoptic chiasm後方に発育する.通常,この腫瘍は,数cm以上の大きさに達して初めて発見されるが,そのとき腫瘍は,Circle ofWillisとその分枝,optic chiasm and tract,第3脳室壁(視床下部,視床),さらにlimbic systemの構成要素(mammilary body,fornix,septal areaなど)によって取り囲まれている.これら,重要な機能を有する脳領域,動脈分枝を傷付けずに腫瘍を摘出することを目的として,多くのアプローチ(進入経路)が考案されてきた1,2).即ち,subfrontal3),pterional4),transcallosal5,6),transsphenoidal7),interhemispheric8)approachなどであり,第3脳室内腫瘍の摘出に当たっては,lamina terminalisから脳室内に入ることも試みられてきた9).しかしpterionalなど,片側からのアプローチでは,lamina terminalisを開いたとしても直視できる第3脳室壁の範囲は限られている.
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