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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科18巻1号

1990年01月発行

文献概要

研究

実験的クモ膜下出血における血管内皮細胞の血小板付着・凝集抑制能の低下

著者: 大熊洋揮1 鈴木重晴1 野々垣洋一1 相馬正始1

所属機関: 1弘前大学脳神経外科

ページ範囲:P.47 - P.52

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I.はじめに
 血管内皮細胞はprostacyclin(以下PGI2)の合成などを介して血小板の血管内面への付着,凝集を予防する作用(以下血小板付着・凝集抑制能)を有すること12,26)が知られているが,クモ膜下出血およびその後に好発する脳血管攣縮(以下攣縮)に際しては,PGI2合成能の低下を含む内皮細胞の各種機能障害の生ずることが指摘されている2,10,11,13,18-20).一方,攣縮に伴う脳虚血に影響を与える要因として血小板機能亢進状態さらには血栓形成の関与が注目されている8,15,23)が,この血小板賦活状態をもたらす原因として内皮細胞障害が大きく関与するものと推察される.しかしクモ膜下出血に際しての血管内皮細胞障害の発生時期および程度と内皮細胞の血小板付着・凝集抑制能低下との具体的関連性に関しては未だ充分証明がなされていない.
 そこで攣縮発生における血管内膜の経時的形態的変化を走査電顕下に観察し,さらにそれに伴う血小板付着・凝集抑制能の変化を検索する目的で以下の実験を行った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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