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研究
腰仙部脊髄髄膜瘤における水頭症発現とその治療時期の検討
著者: 奥山徹1 平井宏樹1 清水一志1 丹羽潤1 久保田司1 相馬文勝2 高橋義男2 堤博2
所属機関: 1市立函館病院脳神経外科 2北海道小児総合保健センター脳神経外科
ページ範囲:P.53 - P.58
文献購入ページに移動脊髄髄膜瘤は中枢神経系の先天奇形であり,多くの症例で水頭症を合併することはよく知られている1,2,8,10,13).頭囲拡大や脳室拡大の程度は症例によりさまざまで,すでに出生時に認められるものから生後に著明に進行するものまで症例に因って異なる8).そのため,脳室拡大が頭蓋内圧亢進を伴い治療の対象となるものであるかどうか診断が難しく,またその治療はいつ行うべきかについてはっきりした基準はなく,臨床症状や大泉門の状態,CT所見などから経験的にシャント手術が行われているのが現状である.
われわれは9例の腰仙部脊髄髄膜瘤に合併した水頭症について,臨床症状,頭囲と頭囲拡大率,出生時の脳室の大きさと生後の脳室拡大率,頭蓋内圧からretrospec—tiveにシャント手術の必要性とその実施時期について検討した.
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