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症例
画像診断と生検によるGliomatosis Cerebriの臨床診断—自験4例にもとづいて
著者: 植木敬介1 松谷雅生1 中村治1 長島正1 中村正直1
所属機関: 1都立駒込病院脳神経外科
ページ範囲:P.89 - P.93
文献購入ページに移動Gliomatosis cerebriは,Nevin(1938)によって提唱された病態で11),主に大脳半球を中心に,ときに脳幹,小脳を含めた中枢神経系にび漫性,浸潤性に増殖する悪性グリオーマの一型である.diffuse glioma, glioblastosisなどとも呼ばれる.きわめて稀な病態で,1985年Arti—gasらが自験例を含めた48例をreviewしており1),その後もいくつかの報告が散見されるのみである16,18,20).
Sheinker & Evans(1943)による病理学的定義は,①腫瘍域がび漫性に腫大するが肉眼的構築はほぼ正常に保たれる,②正常の神経組織に浸潤するグリア細胞の増殖,③ミエリンの破壊はみられるが,軸索や神経細胞はほとんど壊されない,の3点である15).
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