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研究
脳血管攣縮におけるTranscranial Doppler Velocimeterおよび脳血流量測定の意義
著者: 水野誠1 朝倉健2 波出石弘1 西村弘美1 三平剛志1 鈴木明文1 安井信之1
所属機関: 1秋田県立脳血管研究センター脳神経外科 2群馬大学脳神経外科
ページ範囲:P.905 - P.913
文献購入ページに移動頭蓋内血管のDoppler法による血流速度(FV)の測定は開頭手術時4,15),あるいは子供におけるopen fontanelを通じてのみ14)測定されていた.これは従来のDoppler装置(5-10MHz)では,頭蓋骨が超音波の頭蓋内侵入を阻み大きな壁になっていたためである.しかしAaslidら1)はより低い1−2MHzのfrequencyでは骨による減衰作用がかなり弱まることから,1982年2MHzのTranscranial Dop—pler(TCD)装置の開発に成功し,非侵襲的に頭蓋内主要血管のFVが測定可能となった.以来,臨床応用の報告が散見されている2,9,10,13).一方,破裂脳動脈瘤患者に発生する脳血管攣縮(VS)は予後を左右する重要な因子であるが,脳が非可逆的な虚血状態に陥る以前にVSの発生を捉らえ,しかもその進行程度を把握し得る簡便な検査法が待ち望まれて来た.
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