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研究
Diffuse Axonal InjuryのCT診断
著者: 岩立康男1 小野純一1 興村義孝1 須田純夫1 礒部勝見1 山浦晶2
所属機関: 1君津中央病院脳神経外科 2千葉大学脳神経外科
ページ範囲:P.915 - P.920
文献購入ページに移動閉鎖性頭部外傷において,びまん性脳損傷はつねにある程度存在すると考えられ4,8,25),臨床症候学的には意識障害の程度により脳しんとうから一次性脳幹損傷にいたる種々の病態をもたらす2,9,22).その力学的機転の中心をなすのが回転加速度により生じるshear strainであり8,10),びまん性脳損傷重症例は,その発生機序からshearing injuryとも呼ばれている11,27,34,35).このshearstrainがaxonal retraction balls, microglial clusters, de—myelinationといった不可逆性の形態学的変化を,脳梁・脳幹を含めた脳全体にびまん性にもたらす場合がAdamsらの定義したDiffuse Axonal Injury(DAI)である1),すなわち,DAIは基本的に病理学的な概念であり,Gennarelliの臨床上の分類9)ではsevere DAIが最もこれに近く,予後はきわめて不良である1,2,8,9).
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