icon fsr

文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科18巻10号

1990年10月発行

文献概要

研究

頭蓋内血腫溶解に関する研究—特にTPA及びその合剤の局所投与に関する基礎的研究

著者: 蛯名国彦1 岡部慎一1 真鍋宏1 岩渕隆1

所属機関: 1弘前大学脳神経外科

ページ範囲:P.927 - P.934

文献購入ページに移動
I.はじめに
 最近,各施設で普及しつつある定位的脳内血腫吸引除去術に於いて,その凝血塊の安全かつ速やかな除去が最も重要な問題の一つである2,3,7,10,11).一方,脳動脈瘤の最も緊要な術後合併症の一つであるvasospasmの直接的誘因はクモ膜下腔内血腫と考えられ1),ために脳動脈瘤根治手術に続いて広汎血腫除去術6,13)やクモ膜下槽ドレナージ21)などが試みられているが,その侵襲の大きさや効率の面で未だ議論が多い16).これらの血腫を安全かつ迅速に溶解,排出し得るなら,その効用は,きわめて大きいものがある.しかし,血管外に存在する血腫の溶解に関する知見は未だ少なく,また現在臨床に供されているurokinaseのみでは,その溶解能は低く,十分目的を達しているとは言えない17,21).そこで,今回は種々の溶解剤,特にTD−2061, tissue plasminogen activator(t—PA)の局所投与に於ける有効性,毒性,臨床応用の可能性について検討してみた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?