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研究
Bispecific Antibodyを用いた悪性グリオーマの治療
著者: 新田泰三13 石澤敦1 伊藤昌徳1 八木田秀雄2 奥村康2 佐藤潔1
所属機関: 1順天堂大学脳神経外科 2順天堂大学免疫学 3
ページ範囲:P.1001 - P.1006
文献購入ページに移動頭蓋内に発生する悪性グリオーマに対してこれまで種種の治療が試みられてきた.しかし手術,放射線,化学療法を行っても大多数は発症後1年以内に再発を認め未だ予後不良であることは周知の事実である2,18,23).この悪性グリオーマ患者に対して,担グリオーマ患者末梢血より誘導したLymphokine activated killer(LAK)細胞を手術中および,手術後頭皮下に留置したオンマヤー管(Ommaya Reservoir)より注入する養子免疫療法(Adoptive Immunotherapy)が行われてきた1,7)。この養予免疫療法は1985年,Rosenbergらが悪性腫瘍に対してLAK細胞を全身的に投与し有効例を報告したことに端を発する14,15).しかし現在までに臨床各施設で行われてきたが,in vitroのデータに比較して十分満足すべき結果が得られていないのが実情のようである.一方Kitaharaらは患者より採取したグリオーマ細胞を用いて感作した細胞障害性T細胞(killer T cell)を臨床応用した結果を報告しているが,大量のリンパ球注入に伴う水頭症の発現,また一部のケースでは治療にも拘らず腫瘍の再発を認めており十分な効果は得られていない4).
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