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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科18巻11号

1990年11月発行

文献概要

症例

痴呆症状の改善に有用であった浅側頭動脈・中大脳動脈吻合術の経験

著者: 阿美古征生15 松永登喜雄2 山下哲男1 藤井正美3 青木秀夫4

所属機関: 1山口大学脳神経外科 2小野田市立病院脳神経外科 3国立下関病院脳神経外科 4徳出医師会病院 5宇部興産中央病院脳神経外科

ページ範囲:P.1047 - P.1052

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I.はじめに
 平均寿命が非常に伸びてくるにつれて,老年期における痴呆患者は増加し,近年,社会問題となっている.老年期で痴呆症状を呈する疾患は多いが,その双璧は脳血管性痴呆と老年痴呆(Alzheimer病を含む)である.両疾患の罹患頻度に関しては,欧米では,1対5-10ぐらいの比率で老年痴呆が多く,本邦では,1対3-5ぐらいの割り合いで脳血管性痴呆が多いと報告されている6).われわれは最近,突発性症状で発症し,その後次第に知能障害を呈した両側内頸動脈閉塞症の2症例に浅側頭動脈・中大脳動脈吻合術(以下STA-MCA bypass)を行い,著明な臨床症状および高次脳機能の改善を認めたので,症例を呈示するとともに,血管性痴呆の診断やその手術適応について若干の文献的考察を加え報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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