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研究
聴神経腫瘍に対するStereotactic Radiosurgery
著者: 山本昌昭12 NORÉNNorén1
所属機関: 1カロリンスカ病院脳神経外科 2東京女子医科大学附属第二病院脳神経外科
ページ範囲:P.1101 - P.1106
文献購入ページに移動われわれは1969年以来,230例の聴神経腫瘍に対しstereotactic radiosurgeryを試みてきている5,9).このうち,1981年までに治療され,かつ良好なfollow-upができた57例でみると,腫瘍の縮小・不変をあわせた有効例は48例(84%)であった15).この治療成績には,当然のことながら初期の頃の症例もふくまれている.また1981年までの13年間には,stereotactic radiosurgeryそのものにも絶えず改良が加えられてきていた.また,この間における神経放射線学的診断器機の急速な進歩は,本治療法における基本的問題である,照射部位および範囲の決定を,より正確でかつ容易にしてきた.そこで本稿ではhigh-resolution, thin-section CTの導入や,dose—planningの手法等,今日のgamma-unitでのroutine workがほぼ完成した,1982-1984年の間に治療された症例に関し治療成績を報告したい.調査期間を1984年までとした理由は,これ以降の症例では長期間の追跡例が少ないばかりでなく,母集団における追跡率が未だ50%以下であることから,これらを加えると,治療例全体の傾向を,反映しなくなる恐れが大きいことによる。
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