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症例
結核性髄膜炎に伴った虚血性脳血管障害—フレーリッヒ症候群と片麻痺を示した症例
著者: 柏木史郎1 阿美古征生1 原田有彦1 山下勝弘1 伊藤治英1
所属機関: 1山口大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.1141 - P.1145
文献購入ページに移動小児の結核性髄膜炎は,抗結核剤の発達した現在においても後遺症なく治癒するものは約30%にすぎず,生存しても,多くは知能障害,片麻痺,水頭症などの重篤な神経学的後遺症を残す予後不良な疾患である4,11,13).近年CTの普及に伴い,本症に合併する様々な頭蓋内病変が明らかにされてきたが,その中でも,脳梗塞の合併が神経学的予後を不良にする重要な因子として注目されている1-3,9).
著者らは小児期に結核性髄膜炎に罹患し,片麻痺とフレーリッヒ症候群を続発した患者において,脳血管造影,手術を施行する機会を得,頭蓋底部石灰化病変と脳底部主幹動脈閉塞についての興味深い知見を得たので,結核性髄膜炎後遺症と虚血性脳血管障害の関連について文献的考察を加えて報告する.
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