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文献概要
解剖を中心とした脳神経手術手技
斜台腫瘍への頭蓋底アプローチ
著者: 河瀬斌1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.121 - P.128
文献購入ページに移動I.はじめに
斜台への手術アプローチは三方向に大別される.すなわち,中頭蓋窩経由の a)subtemporal-transtentorial ap—proachおよび b)transpetrosal-transtentorial approach,後頭蓋窩経由の c)suboccipital approach,そして前方からの d)transsphenoidal approachおよび e)transoralapproachである.このうちa),c)は最も一般的な方法であるがいずれも視野が狭く十分な腫瘍郭清を行えないことが多い.また脳幹や脳神経の牽引による損傷を来たすことも多い.最も一般的な髄膜腫ではまた頭蓋底骨や硬膜に広く侵入することが多く,これらを除去できないアプローチでは頭蓋内に突出した部分を郭清したとしても根治されたとは言い難い.一方,脊索腫はその大部分が硬膜外腫瘍で硬膜が自然の防壁となっているため,硬膜を切ってアプローチすることは再発を生じた場合に不利と考えられる.ここではこの欠点を補うtranspetro—sal-transtentorial approachおよびcombined transsphe—noidal-transpalatal approachを紹介する.
斜台への手術アプローチは三方向に大別される.すなわち,中頭蓋窩経由の a)subtemporal-transtentorial ap—proachおよび b)transpetrosal-transtentorial approach,後頭蓋窩経由の c)suboccipital approach,そして前方からの d)transsphenoidal approachおよび e)transoralapproachである.このうちa),c)は最も一般的な方法であるがいずれも視野が狭く十分な腫瘍郭清を行えないことが多い.また脳幹や脳神経の牽引による損傷を来たすことも多い.最も一般的な髄膜腫ではまた頭蓋底骨や硬膜に広く侵入することが多く,これらを除去できないアプローチでは頭蓋内に突出した部分を郭清したとしても根治されたとは言い難い.一方,脊索腫はその大部分が硬膜外腫瘍で硬膜が自然の防壁となっているため,硬膜を切ってアプローチすることは再発を生じた場合に不利と考えられる.ここではこの欠点を補うtranspetro—sal-transtentorial approachおよびcombined transsphe—noidal-transpalatal approachを紹介する.
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