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研究
慢性期脳虚血症例における脳血流不全の診断—133Xe SPECTにおけるDiamox testの有用性について
著者: 黒田敏13 瀧川修吾2 上山博康2 阿部弘2 桜木貢1 本宮峯生1 中川端午1 三森研自1 都留美都雄1
所属機関: 1北海道脳神経外科記念病院 2北海道大学脳神経外科 3国立循環器病センター脳神経外科
ページ範囲:P.167 - P.173
文献購入ページに移動脳虚血症例に対するExtracranial-intracranial bypass(以下,EC-IC bypass)は,将来の脳虚血発作を予防する上で内科的治療と比較してより有効な手段とはいえない,と報告されて以来4),その手術適応に関して多くの議論がなされている1,3).しかし,現時点においては,脳虚血発作がembolic mechanismではなく,脳灌流圧の低下,または,脳血流不全によって生じている場合,EC-IC bypassは,脳循環動態を改善し,さらに今後の脳虚血発作を予防する可能性があると考えられている2,6,14).
われわれは,慢性期脳虚血症例において脳血流不全の診断の目的で,133Xe吸人法によるsingle photon emission CT(SPECT)において,安静時の脳血流量の測定に加えて,acetazolamide(Diamox)負荷時の脳血流量測定を行ってきたが,その有用性を検討する上で,今回,種々の血行再建術前後の脳循環動態の変化について検討したので報告する.
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