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文献概要
症例
肺,眼サルコイドーシスを併発したリンパ球性下垂体炎の1症例
著者: 徳永孝行1 重森稔1 潟山雅彦1 倉本進賢1 林秀樹2 山田研太郎2 野中共平2 笹栗靖之3 森松稔3
所属機関: 1久留米大学脳神経外科 2久留米大学内分泌代謝内科 3久留米大学第2病理
ページ範囲:P.183 - P.188
文献購入ページに移動妊娠や分娩を契機に,視力障害や下垂体前葉機能不全で発症する下垂体病変の1つにリンパ球性下垂体炎がある.その発生機序として自己免疫系の関与も示唆されているが,確定診断後の臨床経過の推移をとらえた報告は少ない.今回,われわれはリンパ球性下垂体炎後の下垂体前葉機能不全に対し内分泌補充療法を継続していたところ,6カ月後に肺および眼サルコイドーシスを併発した極めて稀な1例を経験した.両疾患とも現在のところ明らかな病因は不明であるが,全身の免疫異常の観点から非常に興味がある症例と思われたので若干の文献的考察を加えて報告する.
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