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症例
頭蓋咽頭腫術後尿崩症経過中に肺塞栓症を来した1例
著者: 高村幸夫1 上出廷治1 端和夫1 氏家良人2 塚本勝2 住田臣造2 木村弘通2 原田尚雄2 金子正光2
所属機関: 1札幌医科大学脳神経外科 2札幌医科大学救急集中治療部
ページ範囲:P.199 - P.203
文献購入ページに移動肺塞栓症は,長期臥床患者,うっ血性心不全患者,あるいは骨盤臓器の術後に発生することが多い予後不良の疾患で,救命のためには速やかな診断と治療が要求される.脳神経外科領域でも,術後合併症としての肺塞栓症は重要な問題であるが,近年鞍上部腫瘍に伴う,血液凝固異常が注目され,それに伴なう肺塞栓症の報告も散見される9).
今回われわれは,頭蓋咽頭腫摘出術後の尿崩症に対し,ピトレッシン補償療法を行っている過程で,肺塞栓症を合併した1例を経験した.肺塞栓症の発症の要因を考察すると共に,患者管理上重要な示唆を与えるものと思われるので,文献的考察を加え報告する.
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