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文献概要
解剖を中心とした脳神経手術手技
術後頭皮欠損の再建法に関する基本的手技
著者: 梁井皎1 寺岡暉2 瀬川弘3
所属機関: 1順天堂大学形成外科 2寺岡記念病院脳神経外科 3富士脳研病院脳神経外科
ページ範囲:P.233 - P.240
文献購入ページに移動脳神経外科領域の手術において,時に頭皮欠損を生じ,その処理に難渋することがある.頭皮欠損部に頭蓋骨及び骨膜が残っているような場合には,遊離植皮術のみによる修復が可能であるが,脳神経外科領域で問題となる頭皮欠損では,骨膜はもとより頭蓋骨の欠損,場合によっては硬膜の欠損を伴うことが多い.それらの頭皮欠損に対しては遊離植皮術のみでは修復が困難で,遊離植皮術以外の形成外科的修復を行うことが必要となる.
頭皮欠損を修復する形成外科的な術式としては,遊離植皮術,有茎皮弁移植術,マイクロサージャリー(顕微鏡下手術)による遊離皮弁移植術などがあるが,脳神経外科手術の後に生じる頭皮欠損のうちの半数以上は有茎皮弁移植術のうちの横転皮弁手術の適応となる.この方法は,かなり以前より広く行われていて成書にも載っているが,脳神経外科医が初めて成書を見ながら,その手術をやってみようとしても,なかなかうまくいかないことが多い.横転皮弁手術を行う場合,最も大切なのはその作図法であり,その作図法の詳細について正しく,そして分かりやすく解説された成番はないようである.その作図にあたっては,頭皮欠損の大きさ,形,皮弁を作成する位置,皮弁の血行などを十分に考慮に入れることが必要である.
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