文献詳細
文献概要
症例
外傷性小脳機能障害のMRI
著者: 布目谷寛1 伊藤建次郎1 沖山幸一1 船津登1 塩飽哲士1 小倉弘章1 大庭忠弘1
所属機関: 1横浜新都市脳神経外科病院
ページ範囲:P.279 - P.283
文献購入ページに移動頭部外傷により,小脳症候を呈することは比較的稀である.その頻度は,0.4-0.7%と言われている7,12).もし,この様な患者を診た場合には,後頭蓋窩血腫をも疑う必要があると言われている.頭部CTの普及した今日では,後頭蓋窩血腫の診断は,決して困難ではない.しかしながら,小脳症候の検査が可能な程度の,意識障害の比較的軽い頭部外傷患者の場合には,その患者が小脳失調を呈して,小脳の挫創が疑われても,実際にCTで小脳の異常が証明されることが少ない,ということもまた事実であるように思われる8).
MRIは,骨のアーチファクトによる影響をうけないため,特に後頭蓋窩の観察に,その威力を発揮する.また,CTでは検出されない様な,小さな脳挫傷や脳浮腫を,MRIは描出することができるということも知られている2,3,5,10).
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