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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科18巻4号

1990年04月発行

文献概要

研究

胎仔大脳皮質の成体ラット小脳への移植—小脳求心系と大脳皮質移植片の線維連絡

著者: 北上明1

所属機関: 1岩手医科大学脳神経外科

ページ範囲:P.347 - P.353

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I.はじめに
 近年,中枢神経への神経組織の移植実験が盛んに行われるようになり,神経細胞の分化,生長,再生,シナプスの形成などの基礎的問題の検討がなされている.また中枢神経の機能低下を神経組織の移植により改善させようとする試みも数多く行われ,特にパーキンソン病においては臨床的にも試みられている1,13).神経組織の移植においては移植された組織(移植片)が単に生着するだけでなく,移植片と宿主との問にシナプスを介した線維結合が形成されることが機能回復のためには重要な点であると思われる,動物実験では,黒質線条体系6,10,16),海馬への透明中隔の移植4,17),セロトニン破壊ラットに対する胎仔縫線核の移植21),新生児ラット大脳への胎仔大脳皮質の移植7-9,11,15)などにおいて移植片と宿主の線維連絡が可能であることが示されClarkeら10)は,電顕的に宿主の黒質線条体系と線条体移植片の間のシナプスの形成を確認している.このような実験系は,宿主と移植片の間に解剖学的に特異的な関係があるものが大部分であった.一方,移植片を本来解剖学的連絡のない組織に移植した場合の移植片と宿主の線維連絡形成については十分に検討されていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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