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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科18巻4号

1990年04月発行

文献概要

症例

破裂脳動脈瘤術後に発生した頭蓋内原発悪性リンパ腫の1例

著者: 西ケ谷和之1 木村良一1 長沼博文1 深町彰1 貫井英明1 小林愼雄2

所属機関: 1山梨医科大学脳神経外科 2山梨医科大学第2病理

ページ範囲:P.367 - P.372

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I.はじめに
 脳腫瘍の中で頭蓋内原発悪性リンパ腫はまれな腫瘍であるとされていたが20),近年増加の傾向にある13).その理由として,CT scanなどによる診断技術の向上12),免疫抑制剤の使用14),放射線の影響や本腫瘍に対する認識の高まり22)などが考えられている.種々の免疫抑制状態に本腫瘍が併発した報告や1-3,7,9),免疫抑制剤を投与された臓器移植患者やacquired immunodeficiency syn—drome(AIDS)患者に多く発生したという報告が散見され14,17),免疫学的監視機構を含めた免疫機能と本腫瘍の発生との関係に多くの関心が向けられている.今回われわれは,破裂脳動脈瘤のneck chpping術7カ月後に,頭蓋内原発悪性リンパ腫を併発したまれな1例を経験したので,その特異なCT像と臨床診断および本症例における免疫機能の低下と本腫瘍との関連について若干の文献的考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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