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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科18巻5号

1990年05月発行

文献概要

研究

Ca++拮抗剤NimodipineとInduced Hypertension併用における脳血管反応性,脳血流,脳浮腫および脳梗塞に対する影響—ネコの1時間中大脳動脈閉塞Modelを用いた検討

著者: 榊寿右1 石田泰史1 笹岡保典1 角田茂1 内海庄三郎1

所属機関: 1奈良県立医科大学脳神経外科

ページ範囲:P.423 - P.430

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I.はじめに
 Nimodipineはdihydropyridineの誘導体であり,脳血流を有力に増加させるCa++拮抗剤として知られている.nimodipineは脳の動脈や細小動脈を拡張させることが知られており2,16),そして脳局所血流がこれの投与で増加することは,一般的に受け入れられた事実となっている12,13,19).そして臨床の場でも,くも膜下出血後の脳血管攣縮による脳虚血の予防や治療の目的で広く使用されている3-5)
 一方induced hypertensionも虚血脳における血流維持の上で最も有効な手段の一つとされ9,22),実際われわれの日常においても,血圧の上昇で神経症状に改善をみることは度々経験されることである.したがって,両者の併用は,脳虚血の治療により良い効果をもたらすものと考えられる.そこで,われわれはネコの1時間の一時的中大脳動脈閉塞modelを用いて,正常血圧下およびin—duced hypertensi下でのnimodipine使用による脳血管反応性,脳局所血流,脳浮腫および脳梗塞の程度をcontrol群(Ringer液のみを使用した)と対比検討,その脳虚血に対する効果を調べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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