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文献概要
脳腫瘍の組織診断アトラス
(13)脊索腫(Chordoma)
著者: 峠本勝司1
所属機関: 1兵庫県立成人病センター脳神経外科
ページ範囲:P.499 - P.506
文献購入ページに移動I.はじめに
脊索腫は1856年Luschka1)が斜台から頭蓋内に突出、した腫瘍を記載したのが最初であると考えられるが,胎生期脊索(Notochord)の遺残組織から発生する腫瘍である事を初めて指摘したのはMuller(1858年)2)である.Chordomaという病名は1895年にRibbert3)によって命名されている.発生部位により頭蓋型,脊椎型,仙尾型の3種類に分類されるが,大部分は頭蓋底部と仙尾骨部に発生する.好発部位が限局している関係で,文献的な報告は整形外科,耳鼻科,脳神経外科領域がほとんどであるが,外国ではWang James(1968)4)の550例が最も多く,本邦では広瀬(1968)5)の67例が多い.頭蓋内の脊索腫は,大部分が斜台部に発生するが,全頭蓋内腫瘍の0.1-0.5%を占めるに過ぎず,比較的まれな腫瘍といえる.
脊索腫は1856年Luschka1)が斜台から頭蓋内に突出、した腫瘍を記載したのが最初であると考えられるが,胎生期脊索(Notochord)の遺残組織から発生する腫瘍である事を初めて指摘したのはMuller(1858年)2)である.Chordomaという病名は1895年にRibbert3)によって命名されている.発生部位により頭蓋型,脊椎型,仙尾型の3種類に分類されるが,大部分は頭蓋底部と仙尾骨部に発生する.好発部位が限局している関係で,文献的な報告は整形外科,耳鼻科,脳神経外科領域がほとんどであるが,外国ではWang James(1968)4)の550例が最も多く,本邦では広瀬(1968)5)の67例が多い.頭蓋内の脊索腫は,大部分が斜台部に発生するが,全頭蓋内腫瘍の0.1-0.5%を占めるに過ぎず,比較的まれな腫瘍といえる.
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