脳腫瘍の組織診断による悪性度の判定は予後推定,治療法の選択,および治療効果の判定に極めて重要である.組織学的に悪性度は細胞密度,核分裂像,核の異形性・多形性と染色性,壊死,組織構築,および血管反応を基礎に分類されている.ところが次のような問題がある.余りにも多数の脳腫瘍の分類法が報告され,それぞれ分類基準が異なり,汎用されている4段階分類であるKernohan分類15)とWorld Health Organization(WHO)分類31)とにおいてさえ判定基準が多少異なる.組織の悪性度判定に検者の主観が入る.さらに腫瘍組織内の部位による不均一性がある25).これらの問題解決のために種種の方面から研究されている.