icon fsr

文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科18巻8号

1990年08月発行

文献概要

解剖を中心とした脳神経手術手技

痙性斜頸に対する副神経減圧術

著者: 島史雄1 福井仁士2

所属機関: 1九州大学脳神経病研究施設臨床神経生理部門 2九州大学脳神経病研究施設臨床神経外科部門

ページ範囲:P.693 - P.700

文献購入ページに移動
I.はじめに
 痙性斜頸は,頸筋の不随意収縮を特徴とする神経疾患で,頭位の変化により,1)体軸を中心に水平に回転するhorizontal torticollis, 2)前後軸を中心に一側に傾斜するrotatory torticollis, 3)前後方向へ傾くantecollis又はretrocollisに分類できる12).また,筋収縮のパターンの違いにより,spasmodic torticollisとmyoclonic tor—ticollisが区別される.本症は,他の不随意運動と同じように精神的緊張で増悪し,体位により症状が著しく変る.症例によっては,示指を下顎に触れただけで症状が軽減する奇異な現象(corrective gesture)を示すことはよく知られている.30-40歳台に発病することが多く,一般に,薬物や心理療法などの保存的治療に抵抗し難治性である.症例によっては増悪と寛解を繰り返す.しかし,長期的な予後は良好で数年から10数年後に自然寛解することが少なくないと言われている19)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?