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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科18巻8号

1990年08月発行

文献概要

研究

Volume ExpanderとInduced Hypertension併用による脳への影響

著者: 榊寿右1 笹岡保典1 石田泰二1 森本哲也1 角田茂1 内海庄三郎1 村田吉郎2

所属機関: 1奈良県立医科大学脳神経外科 2奈良県立医科大学第1病理

ページ範囲:P.707 - P.714

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I.はじめに
 Volume expanderにより脳血流を増加させて脳虚血から守ろうとする試みは,くも膜下出血後の脳血管れん縮の際や,手術中の一時的な血流遮断,脳血栓症等の急性期などの際に行われている.実験的研究からは,脳を栄養する大きな動脈間での,脳が本来有している解剖学的なanastomosisを介しての側副血行を増加させることにより脳梗塞の大きさやその後遺症を減じるという報告がある16,20,21).そして実際に,臨床の場で急性期の脳虚血発作症例に対し使用され,その有用性も認められている15,22).一方,induced hypertensionもまた,多くの病的な状況の結果生じる脳虚血状態を改善させる有効な治療法の一つであると認められており18),実際われわれも臨床の場で血圧の上昇に伴ない患者の神経症状の改善の得られることを経験することは少なくない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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