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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科18巻9号

1990年09月発行

文献概要

総説

エンドセリン

著者: 沢村達也1 木村定雄1 眞崎知生2

所属機関: 1筑波大学基礎医学系生化学 2筑波大学基礎医学系薬理学

ページ範囲:P.797 - P.806

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 エンドセリンは血管内皮細胞の培養上清中より発見された21アミノ酸残基よりなるペプチドである1).血管のトーヌスを調節する系として神経系やホルモンと同様に血管内皮細胞が重要であることが認識されてきた時に発見され,しかも血管平滑筋に対して非常に強力で持続的な収縮を惹起することからエンドセリンの発見以来2年間の間に爆発的に研究が行われてきた.
 現在では,エンドセリンは血管平滑筋のみならず,種種の組織に対し作用し,多彩な生理作用を持つことがわかっている.さらにエンドセリンは血管内皮細胞だけでなく,腎尿細管や気道などの上皮細胞や神経細胞でも産生されていることが明らかとなっており,非常に広範な役割を生体内で演じているものと考えられる.また病態との関連も報告されてきており,種々の病態の機構を解く鍵となるかが注目される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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