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研究
開頭術の脳循環代謝に及ぼす影響—PETによる未破裂脳動脈瘤根治術での検討
著者: 鐙谷武雄13 佐山一郎1 朝倉健1 波出石弘1 水野誠1 鈴木明文1 安井信之1 宍戸文男2 上村和夫2
所属機関: 1秋田県立脳血管研究センター脳神経外科 2秋田県立脳血管研究センター放射線科 3北海道大学脳神経外科
ページ範囲:P.837 - P.844
文献購入ページに移動開頭術自体の脳循環代謝に及ぼす影響を明らかにすることは,手術施行例で脳循環代謝の変化を評価する場合に重要である.なぜなら,術前後で測定された脳循環代謝の変化が病態の変化だけではなく,手術操作の影響も含んでいる可能性があり,それを無視し得ないと思われるからである.また,脳循環予備能の低い症例では,手術の操作自体が脳循環代謝の抑制を引き起こし脳虚血の合併症をおこす可能性もあり,それを予見する上でも重要である.今回われわれは未破裂脳動脈瘤症例で開頭術前後に15O標識ガスsteady state法を用いたPET(positron emission tomography)studyを施行して,開頭術(動脈瘤clipping術のための全ての操作を含める)の影響を明らかにすることを試みた.
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