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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科18巻9号

1990年09月発行

文献概要

症例

Staged Operationにて全摘出しえたLarge Basal Ganglia AVMの1例

著者: 堤一生12 塩川芳昭1 久保田勝1 青木信彦1 水谷弘1

所属機関: 1都立府中病院脳神経外科 2諏訪中央病院脳神経外科

ページ範囲:P.871 - P.876

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I.はじめに
 出血で発症した基底核脳動静脈奇形(AVM)は他の部位のAVMに比べ再出血率が高く保存的治療の予後は不良であるため何らかの治療が必要とされる4).しかし周囲を重要構築に囲まれ深部に位置するためその摘出術は容易ではない.術後の合併症を考えると,その手術適応には慎重にならざるを得ない1,8).斎藤10)はその手術適応を①出血,特に血腫がある,②AVMが比較的小さい,③脳室と関係がある,④神経症状がある,と述べているが現時点においては少なくともこれらの条件の3つを満たすものに手術は限られるであろう.基底核AVM手術の報告は散見されるが2,3,6,8,15,16),そのほとんどは小さなAVMであり大きなものはinoperableとされているのが現状と思われる.今回,われわれは最大径5cmの基底核外側部AVMをstaged operationにて全摘出する機会を得たのでその詳細に付き述べ考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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