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症例
摘出術後19年目に,大型化して再発が認められた脳動静脈奇形の1症例
著者: 樋口真秀1 尾藤昭二1 長谷川洋1 小橋二郎1 平賀章壽1
所属機関: 1大阪厚生年金病院脳神経外科
ページ範囲:P.75 - P.78
文献購入ページに移動脳動静脈奇形(以下AVMと略す)が,その経過中に増大傾向を示す場合があることは従来より注目されていた3-5,12,13).しかしAVM摘出術直後の脳血管撮影において,明らかな残存AVMは認めなかったにもかかわらず,その数年後に再発が認められた症例の報告は少ない.
最近われわれは,脳出血で発症したAVMの摘出術直後に施行した脳血管撮影で,main nidusの消失を確認し,AVMは摘出し得たと判断されたにもかかわらず,術後19年の間に残存したと思われるAVMが成長し,術前よりもはるかに巨大化して発見された症例を経験した.AVMの術後再発機序及びその診断,治療方針に関する考察を加えて報告する.
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