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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科19巻11号

1991年11月発行

文献概要

研究

Alpha−1-antitrypsinを用いた神経膠腫の悪性度の検討

著者: 池山幸英12 織田哲至1 西崎隆文1 青木秀夫1 伊藤治英1

所属機関: 1山口大学脳神経外科 2宇部興産中央病院脳神経外科

ページ範囲:P.1047 - P.1051

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I.はじめに
 ヒト神経膠腫に対して免疫組織学的面からその悪性度を検討し,その予後を推測する試みは多い.しかしながら,中間径フィラメントであるglial fibrillary acidicprotein(GFAP),vimentin,あるいはastrocyteのマーカーであるS−100 protein(S−100)を用いた検討は,結果は一定せず十分とはいえない.一方では,モノクローナル抗体であるbromodeoxyuridine(BUdR),Ki—67, DNA polymerase α等を用い,cell kineticsからみた悪性度の評価も試みられており7,14,15)これらは良好な成績を得ているが,簡便さの点でやや難がある.同じくcell kineticsの面から,より簡便な方法として,嗜銀染色を利用したNucleolar Organizer Regionsによる悪性度の評価も試みられている16)
 しかしこれらとは別に,ヒト神経膠腫に於いて浸潤度の面から悪性度を評価することは重要と思われる.このため今回われわれは,新たなマーカーとして生体のproteinase inhibitorの一つであるalpha-1-antitrypsin(α-AT)を用いて免疫染色を行い,組織学的悪性度及び予後との関連性について検討した.更に,GFAP, vimen-tin,及びS-100についても再検討を試みた.7例については,BUdR染色を施行し,併せて検討した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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