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研究
標的細胞のインターフェロン処理による細胞性免疫に対する感受性の変化—腫瘍特異的CTLクローンおよびLAK細胞を用いた解析
著者: 宮武伸一1 近藤精二1 青木友和1 岩崎孝一2 大山憲治1 大塚信一2 織田祥史1 菊池晴彦1
所属機関: 1京都大学脳神経外科 2北野病院脳神経外科
ページ範囲:P.1053 - P.1059
文献購入ページに移動Interferon(IFN)はその化学構造28),および受容体1)の差異により,α,β(type I)とγ(type II)に分類され,多岐にわたる生物活性が知られている.その抗腫瘍効果は単に直接的な細胞増殖抑制7,30)のみならず,主要組織適合抗原(MHC)発現増強5,18,33)や,natural killer(NK)cell, macrophageの活性増強効果6,25)等,immuno—modulatoryな効果も知られている8).一方,type Iおよびtype II IFNでは異なった生物活性が存在するという報告もあるが10),その詳細な機構は不明である.
最近われわれは,ヒトグリオサルコーマ培養株(GI—1)ならびにそれに対する特異的キラーT細胞(CTL)クローンを患者自家末梢リンパ球より樹立した21).またGI-1をIFN-γで処理することによりallogeneic lym-phokine-activated killer(LAK)細胞に対する感受性が低下することを明らかにしてきた22).本稿ではGI-1をtype I(β)およびtype II(γ)IFNで処理することによりこれらCTLおよびautologous LAK細胞に対する感受性がどの様に変化するか検討し,CTL,LAKの標的認識機構の差異を解析した.
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