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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科19巻12号

1991年12月発行

文献概要

解剖を中心とした脳神経手術手技

延髄部腫瘍性病変に対する手術

著者: 宮武伸一1 菊池晴彦1

所属機関: 1京都大学脳神経外科

ページ範囲:P.1113 - P.1119

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I.はじめに
 脳幹部,ことに延髄を中心とした下位脳幹部は,解剖学的,生理学的に非常に重要な部位であり,脳神経外科医に残された数少ない“no man's land”の一つである.他の中枢神経系と同様に,この部位にも腫瘍性病変は発生するが多彩な神経症状を呈することから,その的確な診断は難しく,またその治療も困難な場合が多いとされてきた.しかしながら最近の画像診断学の進歩,ことにmagnetic resonance imaging(MRI)の発達により,X線CTではartifactのため,診断が困難であった延髄部病変が直接かつ鮮明に描出でき,sagittal,coronal, axialのimagingにより病変の空間的広がりが正確に把握できるようになってきた24).また,近年のmicroneurosurgicaltechniqueの発達により延髄部の腫瘍性病変に対する摘出成功例の報告も散見されるようになってきた.本稿では1986年より当施設で経験した延髄部腫瘍性病変(海綿状血管腫をも含む)10例の経験を基にその手術手技,注意点,問題点を紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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