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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科19巻12号

1991年12月発行

文献概要

研究

癌性髄膜炎における髄液生化学的腫瘍マーカーの検討

著者: 中川秀光1 久保重喜1 村澤明1 中島伸1 中島義和1 泉本修一1 早川徹2

所属機関: 1大阪府立成人病センター脳神経外科 2大阪大学脳神経外科

ページ範囲:P.1135 - P.1141

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I.はじめに
 種々の髄液内腫瘍マーカー9,24)の中にβ—glucuroni—dase,polyamines(putrescine,spermidine,spermine),carcinoembryonic antigen(CEA)があり,β—glucuro—nidaseについては,癌性髄膜炎に特徴的に上昇することが知られている19,20,23).Polyaminesは,主に髄芽腫の再発や進展程度の指標としてその有用性は示されており2,5,14,21),その他にβ—glucuronidaseとともに癌性髄膜炎や悪性腫瘍で高い値を示し15,18),腫瘍の増殖度を表わすとされている2,18).CEAについては,転移性脳腫瘍に際し血清CEAの上昇が時に見られるが,髄液CEAの上昇は稀であり,それが高値を示すのは髄膜転移症例19)や100ng/ml以上の高い血清値を示す症例に多いとされている.
 今回,癌性髄膜炎におけるこれら髄液腫瘍マーカーを調べ他の良性脳疾患・脳腫瘍や充実性転移性脳腫瘍患者のそれと比較することにより癌性髄膜炎の病態の特徴を概要するとともに手術や髄腔内化学療法などによるマーカー値の変動を調べ,これら病態における髄液腫瘍マーカー測定の意義について検討した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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