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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科19巻12号

1991年12月発行

文献概要

研究

Transcranial Doppler Ultrasonographyによる脳血管攣縮の診断とCa拮抗剤の抑制効果

著者: 豊田章宏1 西澤義彦1

所属機関: 1岩手医科大学脳神経外科

ページ範囲:P.1143 - P.1150

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I.はじめに
 破裂脳動脈瘤後の脳血管攣縮(spasm)の治療において,症候出現以前にその予測を可能とすることは最も重要とされてきた.しかし脳血管撮影,CT scan,脳血正流測定などによる検討によってもretrogradeの判断は可能であるもののreal timeにspasmを把握することが出来なかった.
 最近,開発された超音波脳血流速度測定装置(Trans—cranial Doppler Ultrasonography:TCD)は,noninva—siveで,しかもreal timeな脳血流速度の測定が特徴であり,TCDは破裂脳動脈瘤後のspasmの病態の解明のみならず,各種薬剤の治療効果判定の指標にも有用な測定装置と考えられる2,8-11,17)
 本研究では,破裂脳動脈瘤症例に対し,TCDを用いて脳血流速度(Flow velocity:FV)測定を行い,FVの経時的変化,脳血管撮影によるspasmとの相関,さらにnicardipine脳槽内投与によるspasmへの抑制効果について検討した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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