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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科19巻12号

1991年12月発行

文献概要

症例

頭蓋底に腫瘤を形成し動眼神経麻痺で発症したMultiple Myeloma(biclonal type)の1例

著者: 高野勝信1 大神正一郎1 米増祐吉1 福田博1 中井啓文2 苫米地正之2 川田佳克2 竹森信男3

所属機関: 1旭川医科大学脳神経外科 2北見小林病院脳神経外科 3旭川医科大学第三内科

ページ範囲:P.1181 - P.1185

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I.はじめに
 多発性骨髄腫は骨髄の形質細胞が腫瘍性に増殖し,免疫グロブリン異常,骨変化をきたす疾患である.その骨病変は主に頭蓋骨,椎骨,肋骨,骨盤に認められ,頭蓋骨では多数の骨溶解性の変化をきたし,X線写真上punched out lesionが見られることはよく知られている13).しかし,どの部位の骨病変であれ,腫瘤を形成するのは稀である.
 また,本疾患の免疫グロブリン異常でも,IgGのみ高値を示すmonoclonal typeが最も多いが,二種類の免疫グロブリンが高値を示すbiclonal typeは多発性骨髄腫の中でも0.5%と稀である14).われわれは頭蓋底に腫瘤を形成したIgG,IgA biclonal typeの多発性骨髄腫を経験したので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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