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研究
悪性グリオーマに対するインターフェロンを用いた集学的療法と患者免疫能の変動—Two color analysisによるリンパ球の解析
著者: 沼義博1 河本圭司1 松村浩1
所属機関: 1関西医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.121 - P.128
文献購入ページに移動悪性神経膠腫に対する治療として,手術後放射線療法に化学療法インターフェロン(β—IFN)を加えた併用療法を行っている1).インターフェロンの抗腫瘍効果には,腫瘍細胞に対して細胞増殖抑制やDNA合成阻害などの直接作用と,免疫系を介する間接作用があり,natural killer(NK)細胞,マクロファージ,細胞障害Tリンパ球の活性増強作用が報告され,臨床的にもその有用性がいわれている11,21,29).
われわれはすでに脳腫瘍患者のT細胞サブセットによる免疫能について報告しているが8),近年開発されたtwo-color analysisによるリンパ球の分析は少なくまた経時的な変化を検討した報告はない.今回悪性グリオーマ患者に対してインターフェロンを用いた集学的療法を施行し,その前から後にかけてのT細胞分画の変動,またNK細胞やγ—IFN産生能についても経時的に測定し,インターフェロンによる脳腫瘍の治療効果と免疫能の変動を検討したので報告する.
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