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症例
疑診例(片側性)から確診例(両側性)へ移行したモヤモヤ病の2小児例
著者: 井上亨1 松島俊夫1 詠田眞治1 藤原繁1 藤井清孝1 福井仁士1
所属機関: 1九州大学脳研外科
ページ範囲:P.179 - P.183
文献購入ページに移動モヤモヤ病の原因はいまだ不明であり,その特徴的脳血管撮影像により診断が行われている.厚生省ウイリス動脈輪閉塞症研究班の診断基準によると,両側内頸動脈終末部に,定型的な動脈狭窄・閉塞と異常血管網を示すものを確診例,そのような病変が一側にしかないものは疑診例とされている5).他方,モヤモヤ病の両側性閉塞性病変は経時的に変化することも知られている2,8,11,17,18).一側性病変が両側性へと進行するか否かはモヤモヤ病の発生原因を考える上で興味があり,疑診例と確診例の関係をも示唆するものと考えられる.
われわれはモヤモヤ病の初期像を知る目的と片側性病変の存在の有無を追求するため,疑診例に注目してきた3,7,9,10).今回片側性病変から,両側性へと進行した2小児例を経験したので報告する.
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