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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科19巻3号

1991年03月発行

文献概要

総説

脳血管攣縮とProtein Kinase C依存性収縮機構

著者: 浅野孝雄1 松居徹1 多久和陽2

所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター脳神経外科 2筑波大学臨床医学系内科

ページ範囲:P.207 - P.219

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I.はじめに
 くも膜下出血(SAH)後の脳血管攣縮(VS)について,既に多くの臨床的,基礎的知見が集積されているにも拘らず,その発生機序は依然として謎に包まれている.現時点において必要なことは,その謎のよって来る所以を明確にし,今後の研究の方向を見定めることにあると思われる.
 さて脳血管攣縮という言葉自体は,薔薇の名前(IINome della Rosa)のように,もともと本質の知られていない病態につけられた一つの記号に過ぎない.たとえば,新たに見いだされた病気がその発見者の名前で呼ばれるように.しかし,多くの研究者の直観的な理解に従って,この病態は動脈壁平滑筋の持絞的な収縮を意味する血管攣縮(vasospasm)という言葉で言い表されてきた.従来の研究の主流は,この直観に基づいて,脳動脈平滑筋を直接的,且つ持続的に収縮させる生体内物質を発見しようとするものであった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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