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文献概要
症例
Entirely Suprasellar Symptomatic Rathke's Cleft Cystの2症例
著者: 弓削龍雄1 重森稔1 徳富孝志1 空閑茂樹2 西尾暢晃1 山本文人1 徳永孝行1 上垣正己1 安陪等思3 小島和行3 倉本進賢1
所属機関: 1久留米大学脳神経外科 2筑豊労災病院脳神経外科 3久留米大学放射線科
ページ範囲:P.273 - P.278
文献購入ページに移動トルコ鞍内に発生する上皮性襄腫はRathke's cleftcystと呼ばれ,最近の画像診断の進歩により報告例が増加している.上皮性襄腫をその局在からみると,トルコ鞍内に限局する型ないし鞍内から鞍上部へ伸展した鞍上部仲展型がほとんどであり,鞍上部のみに位置するいわゆるentirely suprasellar Rathke's cleft cystの報告はわれわれが渉猟しえた範囲では1934年のFrazier & Alpersらの報告以来11例にすぎない.
本稿では最近われわれが経験した2例を含め,その頻度,発生機序,細胞起源,画像診断,手術法を中心に文献的考察を加えて報告する.
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