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研究
十歳台の腰椎椎間板ヘルニアをめぐる諸問題について
著者: 花北順哉1 諏訪英行1 西原毅1 阪井田博司1 飯原弘二1
所属機関: 1静岡県立総合病院脳神経外科
ページ範囲:P.337 - P.342
文献購入ページに移動腰椎椎間板ヘルニアは,日常臨床においてよく遭遇する疾患であるが,この病態が十歳台に生じることは比較的稀なことである.しかし若年者腰椎椎間板ヘルニアでは,特異な問題点が含まれているために,従来から様々に論じられてきた.すなわち,若年者腰椎椎間板ヘルニアにおいては,その発生頻度,性差,発症誘因,成人例の腰椎椎間板ヘルニアとの臨床像の異同,椎間板自体の変性の程度,診断上の問題点,治療法および予後などが問題となるが,未だ解明されていない点も多い.このたび昭和58年以降,静岡県立総合病院脳神経外科で手術的療法を加えた十歳台の腰椎椎間板ヘルニアの9症例につき,その臨床像,神経放射線学的所見,手術時所見,術後経過について検討を加えた.また現在までに国内外において報告された,18シリーズ,総計687例の若年者腰椎椎間板ヘルニア症例をもとに,この病態における種々の問題点につき考察を加えた.
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